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Son, N. T.*; 梅田 享英*; 磯谷 順一*; Gali, A.*; Bockstedte, M.*; Magnusson, B.*; Ellison, A.*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.334 - 337, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:17.95(Physics, Condensed Matter)六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)の固有欠陥解明研究の一環として、P6/P7とラベル付けされた格子欠陥(センター)を電子常磁性共鳴(EPR)法及び理論計算(ab initio)法を用いて調べた。室温または850Cでの3MeV電子線照射により4H-SiC中にP6/P7センターを導入し、EPR測定を行った結果、P6/P7センターの近接炭素及びシリコン原子の超微細相互作用定数が電気的に中性の複空孔(VV)に対する計算値と非常によく一致することがわかった。これにより、正に帯電した炭素空孔と炭素アンチサイト対の光励起三重項状態(VC)と従来考えられていたP6/P7センターが、C/C対称性を有するVVの三重基底状態に起因すると結論できた。
梅田 享英*; Son, N. T.*; 磯谷 順一*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; Janzn, E.*
Materials Science Forum, 527-529, p.543 - 546, 2006/00
六方晶炭化ケイ素(4-SiC)中の欠陥センターである5を電子常磁性共鳴(EPR)法を用いて調べた。従来、5は高抵抗4-SiC基板中に存在することが知られていたが、低濃度であるため解析が難しく、欠陥構造の同定がなされていなかったが、本研究では、800Cでの高温で電子線(3MeV)を照射することで大量の5を導入できることを見いだし、その構造同定を試みた。試料にはn型の4-SiCを用い、800Cにて3MeV電子線を110/cm照射し5を導入した。100Kにて5の超微細構造を詳細に調べることで、5が、負に帯電した炭素空孔(V)とシリコンサイトを置換した炭素(C)の複合欠陥(V-C)であることを決定した。さらに、5の構造が55K以下ではC対称からC対称となることを明らかにした。
磯谷 順一*; 片桐 雅之*; 梅田 享英*; Son, N. T.*; Henry, A.*; Gali, A.*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; Janzn, E.*
Materials Science Forum, 527-529, p.593 - 596, 2006/00
炭化ケイ素(SiC)中のリン(P)ドナーを電子常磁性共鳴(EPR)により調べた。試料は化学気相成長中にPを導入した立方晶(3-)SiC,六方晶(4-, 6-)SiCを用いた。また、高品質高抵抗SiC基板にPイオン(921MeV)を注入し、Ar中1650Cで30分間熱処理を行った試料も用いた。低温(6K及び60K)でのEPR測定の結果、3-SiCではP, 4-SiCではP, 6-SiCではP, PというPドナーに起因するシグナルの観測に成功した。また、イオン注入によりPを導入したSiC基板から得られるEPRシグナルを詳細に調べることで、炭素サイトを置換したP不純物シグナルであるP及びPも合わせて観測できた。
Son, N. T.*; 梅田 享英*; 磯谷 順一*; Gali, A.*; Bockstedte, M.*; Magnusson, B.*; Ellison, A.*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Materials Science Forum, 527-529, p.527 - 530, 2006/00
電子常磁性共鳴(EPR)を用いて六方晶炭化ケイ素(4H-, 6H-SiC)中の欠陥センターであるP6/P7の構造同定を行った。試料はn型,p型の4H-及び6H-SiC及び高品質半絶縁4H-SiCを用いた。室温または850Cでの3MeV電子線照射(210110/cm)によりP6/P7センターを導入した。低温(8K及び77K)でのC及びSiの超微細相互作用を調べた結果、P6及びP7センターは、それぞれ、結晶のC軸に垂直または平行なシリコン空孔(V)と炭素空孔(V)の複空孔(V-V)であると決定できた。
梅田 享英*; 磯谷 順一*; 森下 憲雄; 大島 武; 神谷 富裕; Gali, A.*; Dek, P.*; Son, N. T.*; Janzn, E.*
Physical Review B, 70(23), p.235212_1 - 235212_6, 2004/12
被引用回数:45 パーセンタイル:83.54(Materials Science, Multidisciplinary)六方晶炭化ケイ素(4-SiC)中に存在する炭素空孔(EI5, EI6)の構造について電子常磁性共鳴(EPR)法及び理論計算(ab inito法)を用いて調べた。炭素空孔は、p型4-SiC単結晶に850Cで1MeV電子線を410/cm照射することで導入した。kサイトの炭素空孔であるEI5は、熱的運動効果でC対称になるとわかっていたが、正確な構造は不明であった。これに対し、40K以下でのEPR測定を行った結果、EI5はヤンテラー効果でC対称であることが判明した。さらに、EI5に対して実験的に得られたESRパラメータの値は、理論計算より求められた結果と良い一致を示した。また、熱的な励起によりEI5がC対称からC対称になる活性化エネルギーは0.014eVであることを見いだした。hサイトの炭素空孔であるEI6についてもEPRで分析した結果、C対称であることが判明し、理論計算結果とも良い一致を示した。